gooブログ終了を受けて、その2

gooブログが今秋、サービスを終了するということを知って、混乱している方が少なくないようだ。今回の「その2」では、「大変なことになったと感じるけれど、何がどう大変なのかもよくわからない」といった方々むけの参考情報を書いてみたい。

 なお筆者は、前回の「gooブログ終了を受けて、その1」の最後で、gooブログが推奨する移転先ではなく、また他のブログサービス業者でもなく、自分で月額のサーバーを借りて、そこへ移転する方法について書くことを予告した。これについては事前調査・検証作業中なので、しばらく時間を頂きたい。

 【注】
本稿中の内容は投稿者個人の見解です。また筆者はgooブログ、NTTドコモの関係者ではありません。

 INDEX

  • 焦る必要はない
  • 状況を整理する
  • 引越しデータってなに
  • 写真などの画像データに注意
  • 推奨の引越し先とはなにか
  • 移転作業なんて絶対ムリ、という人は
  • gooブログ側だって未経験

 焦る必要はない

「これまで営々と築き上げてきた自分のブログが消えてなくなってしまうのではないか」、「継続的にブログ発信を続けていくためには、なにやら『わけのわからない作業』をしなければならないようだけど、自分には出来そうもない」

 ブログのしくみを提供してきた「gooブログ」が、サービス終了のアナウンスをしたことで、一部の方々は大変不安な気持ちになっているようだ。
焦る気持ちもわかるが、まだ半年ほどの期間があるのだから、まずちょっと落ち着こう。

 これまで投稿してきた文章と画像、そしてこれらの日付別の構造などは、自分の手元にダウンロードしておけば、いつの日かまた再生することができる。
基本的には「goo blogサービス終了のお知らせ」に紹介されている「ややこしい作業」が半年以内に実行できればいいのだけれど、たとえそれが出来なかったとしても、ブログのデータさえ手元に取っておけば、まずは消えてなくなってしまう事はない。

 それに、「goo blogサービス終了のお知らせ」の内容が、当初の説明から1週間も経たないうちに、一部が変更されている。多くのgooブログユーザーからの問い合わせや指摘などを受け、今後も状況は変化していく可能性がある。
慌てて対応することが、必ずしもいい結果につながるとは限らない。

 状況を整理する

 まず、我々gooブログユーザーが置かれている状況を整理しておこう。
我々は、いま住んでいるアパートの大家さんから
「2025年11月18日にアパート経営をやめるので、それまでに退去してください」と言われているようなものである。
もちろん「アパート」とは、このgooブログの仕組みであり、出ていかなければならない「住人」は、我々が営々と書き続けてきた文章や写真などである。

 ちなみに、「補償はどうなるんだ」と思う方もいるかもしれないが、そういったものはない。
もともと「突然このサービスをやめるかもしれませんし、その時は何の補償もありませんが、それでもよければどうぞ」という意味の文章が、「規約」に書いてあったはずであり、あなたも筆者もこれに同意したからこそ、gooブログを続けてこられたわけだ。

 さて我々は、どこかに新たなアパート(つまりブログサービス)を決めて、そこへブログ内容を移動してやらねばならない。「ブログの引越し」である。ところがこの引越し作業は、我々が自分でやらねばならない。
今回gooブログ側では

  • 2種類のブログサービスを推奨移転先として紹介し、
  • それらのブログサービスへの移転作業手順を説明する

というところまでを提供している。そしてそのあとは、我々が自己責任でやるしかない、というのが今の状況である。

さらに、移転作業を行うにあたっては、パソコンがあった方が断然いい。
スマートフォンだけでできないこともないけれど、非常に作業効率が悪く、それゆえ自分がいま何をやっているのかさえ分からなくなってしまったり、作業ミスにつながったりしやすい。

ただ昨今では、これまでパソコンには縁がなく、スマートフォンやタブレットで初めて「IT機器デビュー」した方もいるだろう。そんな方は、後半の「移転作業なんて絶対ムリ、という人は」が参考になるかもしれない。

 引越しデータってなに

 さて、「goo blogサービス終了のお知らせ」のなかでは「引越しデータ」をダウンロードして移転作業してください、と説明されている。
引越しデータとは、

  1. これまでに投稿してきた文章
  2. 投稿に使用されている画像(厳密には画像のありかを示す場所情報)
  3. これらがブログの投稿であることを示す諸々の情報

 をひとまとめにしたものであり、アパートのたとえでいう「住人」である。

 この引越しデータは、「引越しデータを作成する」ボタンをクリック(またはタップ)することで、gooブログ側のサーバー(コンピューター)上で「生成作業」が始まる。

 この生成作業には時間がかかるので、完了してダウンロードできるようになったらメールで知らせてくれることになっている。だからこそ、gooブログに登録している自分のメールアドレスが正しいことを事前にチェックしておく必要があるわけだ。

 じつはこの生成作業はサーバーにとってそれなりの「負荷」がかかる。多くのgooブログユーザーたちが、(焦って)ほぼ同時期に殺到すると、最悪の場合はgooブログのサービスそのものがパンクしかねない。
そこでgooブログでは、一度引越しデータを作成すると(現時点では)7日間は作成できないように規制している。

 ところで、この「引越しデータ」という呼び方を、ここからは「ブログデータ」あるいは「データファイル」と呼ばせていただく。
要は、これまで投稿してきた文章と写真(画像)が丸ごと詰め込まれた、情報のかたまりだということが理解できていればOKだ。 

写真などの画像データに注意

 ダウンロードする必要があるデータファイルには「文章と画像」が詰まっている、という言い方をした。しかしここには「写真1.jpg」というような画像ファイル(画像データ)そのものが入っているわけではない。画像の実体はデータファイルの中には入っていないのだ。

 しかし心配はない。じつは我々が投稿した文章とセットにして、「画像の置き場所を示す情報」が記録されている。つまり画像の場所情報が、「文章の一部」として記録されているのだ。

 では、画像の実体を含んでいないデータファイルだけで、なぜ投稿記事に載っている画像まで移転ができるのか。

 ここは筆者の推測だが、移転先のブログサービスにデータファイルを読み込ませると、移転先の読み込みプログラムが、自動的に画像の置き場所を参照し、その画像を自分の(移転先ブログサービスの)サーバーにコピーしてしまうものと考えられる。

 ところが、人によってはこれで終わりではない場合がある。引越し荷物を置き忘れたまま、gooブログに処分されてしまう(この世から無くなってしまう)可能性があるのだ。
これは、写真などの画像ファイルを、gooブログの「画像フォルダ」に保存してあるものの、ブログ投稿の内容として利用していない場合に発生する。
先ほど説明したとおり、データファイルには画像の実体は含まれていない。投稿として使用されている画像についてのみ、その画像の場所情報が書かれているだけだ。
gooブログの画像フォルダに、投稿記事として利用していない画像が残っている人は要注意である。

 もしあなたが、「写真等はまず全て(gooブログの)画像フォルダに保存し、その一部を投稿記事用に関連付けている」というスタイルをとっているならば、(推奨移転先への)データファイルの移転作業だけで安心していては、画像フォルダ内にある、投稿記事に使用されていない写真などはすべて、期日が来ると消されてしまう。
別途、自分のパソコン内や契約しているクラウドストレージ(Googleドライブなど)に画像が保存されていないのであれば、gooブログの編集画面から、手作業でそういった画像をダウンロードしておかなければ、この世から消えてしまうことになる。 

推奨の引越し先とはなにか

 gooブログでは推奨の引越し先として、「Ameba(アメーバ)ブログ」と「はてなブログ」を紹介している。
これはgooブログによって移転作業の手順が説明されていること、そして正常、またはほぼ正常に移転できることをgooブログ側で検証・確認していることを意味する。

 さらに、もっとも大切なポイントといえるのが「リダイレクト」である。
ブログを引越しするということは、インターネット上の住所であるURLが変更されるということだが、あなたのブログを楽しみにしていた多くのファンが、たとえばブックマーク(お気に入り)からアクセスしているとすれば、ある日からアクセス出来なくなってしまう(または大変困難な)ことになりかねない。

 gooブログでは、現在のgooブログ上のあなたのブログ記事にアクセスしてきた読者を、自動的に「Ameba」や「はてな」上の新しい住所へ転送してくれる機能を提供している。「自動遷移(せんい)」あるいは「自動転送」というヤツである。
もちろんこのリダイレクトサービスは、11月にgooブログが閉鎖されれば機能しなくなる。それまでに引越しを終え、gooブログ上(と新しい移転先)でその旨を読者に知らせておけば、いままでのファンを失ってしまうことは避けられるといえる。

 ちなみに「Amebaブログ」も「はてなブログ」も、投稿者(ブログ開設者)と読者のつながりを大切にする便利な機能が充実しているとされる。この点はgooブログよりも優れているかもしれない。 

移転作業なんて絶対ムリ、という人は

 データ移行作業なんて絶対ムリという人は、移転作業をまるごと誰かに頼むしかない。
その場合、誰に頼むかが問題になるが、「○○さんは仕事でパソコンを使ってるらしいから頼めるかも」というのは、あまりに雑な考えだ。 

ブログに限らず「データ移行作業」というものは、たとえばエクセルなどの表計算ソフトや、特定の業務ソフトを操作しているのとはワケがちがう。
たとえばgooブログが推奨する「Ameba」や「はてな」へ移行する場合、その作業手順を読み、理解し、おおまかな作業イメージを描きながら、一つひとつの作業の意味を分かったうえで実行していく、というセンスが必要となる。 

このような人は、たとえば比較的大きな会社などで、パソコンを使って仕事をしている人に多い。その会社で運用している情報システムの改変などの際、「各自、この手順で作業を完了するように」と指示されることが時々あるからだ。 

なお、誰かに作業を頼んだり、あるいはパソコンを借りたりして移転作業をするということは、パスワードを教えたり、そのパソコン上に秘密情報が履歴として残ってしまう可能性があることには注意しておこう。
ひと通り移転作業が完了したら、(自分のスマートフォンなどで)パスワードの変更をしておくとよい。

gooブログ側だって未経験

 そもそもブログの移転などという話は、たびたびあることではない。したがって、gooブログ側のスタッフにとっても未経験なことが少なからずあるといえる。
ましてや「相手がある話」、つまり移転先のブログの仕組みがそれぞれ微妙な点において異なるという現実がある(それが各ブログサービスの特長であり企業秘密であるともいえる)。
さらにgooブログの利用者が、それぞれどのぐらいの情報処理リテラシー(あるいは読解力)を持っているかなどもわからない。

そのため、4月14日に告知されたサービス終了に関する案内も、1週間と経たずに修正や変更が行われている。これは致し方ない事なのだ。

言い方が少し悪いかもしれないが、こういった場面では急いで作業を行う人たちが自ら実験台になるような格好で、「うまくいかなかった事例」をあぶり出してくれる。
そうして、こういった多くの指摘を受けたgooブログスタッフが必死に対応をする、という図式がよくあるパターンだ。

 超初心者の方は、1か月ぐらいはこのまま様子見をしておいてもいいのではないか、というのが筆者の個人的な意見である。何らかの形で、より簡素な移行手順が提供されないとも限らない(あくまでも「かも」の話である)。

 

hanauma-bay

3件のフィードバック

  1. ありがとうございます( ;∀;)

    こんなに丁寧に解説してくださり、

    ありがとうございます。

    実は、Gooも使用を変えたりと、

    混乱というより、手探りでやっている感じがします。

    アドバイスは、ありがたいデス。

    様子見をします。

  2. ありがとうございます

    gumrie さま;

    コメントありがとうございます。

    お役に立てそうで嬉しい限りです。

    貴ブログを拝見しました。

    遠藤周作の「沈黙」は令和の現代でも深く考えさせられる内容で、私にとっても生涯心に残る小説の一つです。

    また由布院へは、むかしTV業界の仕事をしていた時にドラマロケで訪れたことがありますが、別世界の日本という気がしました。

    「サルサ」のカテゴリが設けられていますね。じつは私はパーカッション(打楽器)をやっていたりします。浅草のサンバカーニバルにも出たことがあります(あぁ、なつかしや~...)。

  3. 大変参考になります

    その1に続いて読ませて頂きました。大変参考になりました、ありがとうございます!

    小生は特にPC等に長けている訳ではないのですが、大慌ててで早速ブログを移動させている人達を見ていると、少々滑稽に感じていると言うのが正直な気持ちです。

    まだGWも来なければ梅雨もまだ。暑い夏もまだなのに…

    また覗かせて頂きます

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