Category: 自動車交通

これが東京のタクシー地理試験だ

いま、タクシー乗務員になろうとする人に対する地理試験の廃止が話題になっている。じつは今回、地理試験の実態を、かなり詳しく知ることができた。そもそもこの「試験」、我々が一般的にイメージするものとはだいぶ違っているようなのである。さらに話題の「ライドシェア」についても触れる。

車いすのままタクシーに乗る人の意見

少し前、筆者は、「車いすに乗ったまま乗車できるタクシー」に関して、乗務員の自己犠牲的ボランティア精神に寄りかかっている、という指摘をした(「10月20日、タクシーが激減する?」)。これはつまり、タクシー乗務員側の視点で語ったものである。それで今度は、車いすユーザーの視点に立った話も考えてみたいと思い、あの投稿のあと、ある車いすユーザーの話を聞いた。もちろんそれは一個人の意見に過ぎず、代表的意見とはいえない。しかし一考の価値はあるだろうと思い、ここに書き留めておこうと思う。

10月20日、タクシーが激減する?

何らかの社会的問題を論ずる場合、いったい誰の犠牲によって、多くの人々が利便性や幸福を実現できているのかを視界に入れておかねばならない。
現在、ただでさえ捉(つか)まえにくいタクシーは、令和5年10月20日(金)、東京をはじめとする全国の都市部で、一段と捉まえにくくなるかもしれない。なぜなら、タクシー乗務員たちが出勤を控えようとするかもしれないからである。
これまで一度も自家用車を持ったことがなく、「タクシー&レンタカー人生」を生きてきた58歳の筆者が、長年にわたって多くのタクシー乗務員から聞き取ってきた話をもとに考えてみる。なお本稿でも東京地区のタクシー業界を基本に記述している。

東京のタクシー運賃ウラ話

令和4年11月14日(月)から東京のタクシー運賃が値上げとなる。筆者は若い頃から一度も自家用車というものを持った経験がなく、車に関してはタクシー&レンタカー派の人間である(自転車も好きだが日本の交通社会では危険だと思っているので乗らない)。そういえば最近、都内でタクシーをなかなかつかまえられなくなってきている。今回は運賃の値上げを話の糸口として、東京のタクシーについて考えてみる。

あおり運転と発達障害

ほんとうは「あおり運転」ではなく、より範囲の広い「迷惑運転」とした方が正確かもしれない。筆者は、公道上で意図的に行われる迷惑運転や危険運転について、発達障害との相関があるのではないかと考えている。仮に少しでも関係があるのだとすれば、彼らに与えられるべきは懲罰だけでなく、社会的養護も必要かもしれない。さらに少子高齢社会の手本となるべき日本においては、高度成長時代の発想のままと思われる免許行政の見直しも、もっと検討されるべきではないかと考えている。なお本稿は6月6日に判決が出されたやり直し裁判の事件等、個別の事案とは直接関係ない。

タクシーのウラ側から

タクシーをかしこく、そして気持ちよく利用するための知識をウラ側、すなわち業界側からの視点・立場で解説する。数十人の現役タクシー乗務員からの聞き取り調査と、企業・関係団体の公開情報、そして自家用車は一度も持ったことがない「レンタカー&タクシー主義」の筆者が、客として利用しながら得た体験をもとにしている。
なお本稿では、基本的に東京事業区域(23の特別区と武蔵野市、三鷹市の範囲、正確には「特別区・武三交通圏」)のタクシーを想定している。